2019/3/10 名古屋ウィメンズマラソン2019
福士がセカンド記録でMGC出場権を獲得
「いつもよりは後半がよく動いたかな」「外国人選手がいてくれたことが良かった」
「MGCでは主導権を握るレースをやってみたい」

Q.最初にレースの感想を。
福士加代子 30kmの給水で行かれてしまい、タイミングを逃し、そこから追いつけなくて、っていう感じで終わりました。最後には岩出さんにも抜かれてしまい、でもMGCを取れてホッとしています。
Q.大阪国際女子マラソンから中41日の影響がありましたか。また、30km過ぎ(質問聞き取れず)
福士 影響は特になかったかな、と思っています。30kmから行かれるかな、と思っていましたが、想定以上に行かれたのと、自分が給水を取るのを優先していたら、そこから反応できず、でした。その後も少しレースが動いたところがありましたが、自分がずるずる行ってしまいました。(今後)そこからできれば面白いかな。
Q.大阪から短い期間でMGCを獲得できた要因はなんだと思われますか。また、MGCをどう走りたいと思っていますか。転倒対策はどう生きましたか?
福士 要因は、、要因は、、要因は、、(永山忠幸監督の方を向いて)何ですか? とにかくケガなく、何も変わらず練習できたことが一番の要因だと思います。今日は外国人選手がいてくれたことが良かったのですが、MGCでは外国人選手はいなくなります。主導権を握るレースをしたことがないので、MGCでは主導権を握るレースをやってみたい。(転倒は?)しなければ一番良いのでは?
Q.リオ五輪のあと苦しかった時期もあって、紆余曲折を経て結果を出したことをどう考えますか。
福士 ちょっと慣れてきたんですかね、マラソンに。そのくらい?
Q.転倒されてまたマラソンに挑んだことが、どうプラスになったと思いますか。
福士 (復帰して)マラソン2回目だったので、緊張はしましたが、大阪よりもだいぶ落ち着いていました。苦しいのは苦しかったのですが、外国人選手がいたのがよかったですね。世界陸上みたいで。みんなで日本選手対外国選手のようにやってよかったし、やっぱりリズムがよかった。それが自分でできて走れたら一番良いですね。
永山監督 大阪の転倒がケガの功名になり、良い方向に転がってくれました。名古屋に向けての練習で悪戦苦闘はしましたが、ちゃんと良いイメージを作ることができた。彼女だけでなく、私以外のスタッフが必死で、福士をスタートラインに立たせてくれました。感謝しています。
Q.高橋尚子さんが、後半のペースが落ちなくなったことを指摘されていました。リズムがよくなったこととつながることかもしれませんが、後半が良い感覚になりましたか。
福士 いつもよりは後半がよく動いたかな。それが何でだったかは、よくわからないですが、良かったです。(大阪で)転んだおかげかな?
Q.MGCに向けては収穫でしたか。
福士 収穫祭ですね。
Q.3月12日で東京五輪開幕まで500日です。まだMGCもありますが、どう過ごしていきますか。早いとか、あっという間だろうとか。
福士 500日っていうイメージだけですね。早いも遅いもなんとも感じられないですね、今は。
Q.永山監督にうかがいます。大阪を棄権してすぐに名古屋出場を決められたそうですが、名古屋に向けて意識させた点はなんでしょうか。MGC獲得のためにポイントとなったことは?
永山監督 うちはMGCへ福士、安藤(友香)、一山(麻緒)の三姉妹を送り出したいというチームの思いがあります。そのためには一番上の福士に頑張ってらわないといけないので、福士の不安要素を取り除いて走らせたかった。トレーナーや周りのスタッフが福士の気持ちを察して準備をしてくれたことが一番大きいと思います。私はただ、タイム設定や環境を考えて、不安要素が残らないようにこの1カ月をやってきました。
Q.(質問不詳)
永山監督 私は負ける勝負をしたくない性格なのですが、トレーナーがバランスを整えてくれて、スタートラインに立つ前に「大丈夫ですか?」と聞くと「大丈夫です」と私の背中を押すように言ってくれました。あとは福士の20〜25kmのペースが落ちなければ、(MGC出場権を獲得できる)2時間27分を切って6位以内は手中に収められる。不安はありませんでしたし、25kmが終わって確信を持ちました。
Q.安藤選手加入の効果は?
永山監督 名古屋は安藤が初マラソンで2時間21分36秒を出している大会です。事前合宿では福士と同じ部屋でしたから、コースの細かい説明や戦略などは、伝わっていたのかと思います。1週間前には一山が東京マラソンで(MGC出場権には届かなかったものの、冷たい雨の悪コンディションのなか好記録で)走っています。そういうことを考えると、3人で競い合ってトレーニングを積んだことが、この状況になったのだと思います。
Q.お二人にうかがいます。MGCはペースメーカーがいないレースで引っ張る選手がいません。競り合う外国選手も。どういうトレーニング、準備をしていきますか。
永山監督 一山がMGCを取っていませんが、4月中に取れる大会に参加します。そのあとは毎日がMGCと思っての練習になっていきます。三者三様の練習ではなく、ミニMGCとしてチーム内で競い合って、本番をイメージさせたい。
福士 ミニMGCで、ちょっと予選を勝ちたいと思います!
Q.スピード変化への対応など、トレーニングの中でも意識させていきますか。
永山監督 横に選手がいて言いにくいのですが、マラソン練習としてもっとやりたい部分をまだやっていません。先週(東京マラソン・レース後の取材で)一山が鬼メニューと言いましたが、鬼鬼メニューにして、量も質も上げた練習をしたい。ケガが怖いので自分も臆病になってしまいますが、選手やトレーナーと頑張って、ハイレベルの練習にできれば、と思っています。昔のトップアスリートに比べ、今の選手は質量とも劣っています。(夏場のマラソンは)暑熱対策よりも、練習にかかっていると思っていますので、質量とも上げたいきます。
Q.福士さん、鬼鬼メニューは大丈夫ですか。
福士 イヤですけど、3人いるので相談して、今日はオマエが行け、みたいな感じで、2人を使いたいと思います(笑)。


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